櫻井音楽工房の音楽制作小咄

~櫻井音楽工房もしくは櫻井隆仁の音楽制作の近況を綴って参ります~

レコード会社はパンドラの箱を開けてしまった?!

先日アメリカを代表するバンドの一つZZ TOPのアルバムを調べてたら、こんな企画商品が。

なんと10枚組で¥3,272!一枚単価@327!!
驚いて検索してみたら、ジャーニー、ブルース・スプリングスティーンTOTOフォリナーヴァン・ヘイレンといった名だたるアーティストの似たような商品が、昨年暮れ辺りからのリリースからのが出てくる出てくる。。。

ユーザーとしては嬉しい企画盤なのですが、作り手側からすると「バカなんじゃないの?」と思ってしまいます。

 

数年前¥980位でアルバムをリリースしてた“Good Price”的な時も「え~っ?!」って感じてたのですが、今後洋楽の国内盤はライナーノーツをどうしても読みたいという人でもない限りまず買わないでしょう。
この価格設定に見慣れてしまったら、新作もユーザーがそのアーティストのコア・ファンでもない限り購入意欲を掻き立てられないと思います。
ましてyoutube時代、とりあえず聞いておけ!だったら、そちらで済ましてしまうに違いありません。

 

この音楽の“超デフレ状況”、日本は再販制度で時限的に価格が維持されてますが、輸入盤とは下手したらレンタルCDよりも安いこの価格付けは「音楽はただ同然」に近い感覚をユーザーに芽生えさせ、国内のアーティストにも確実に影響してきます。

 

いくら曲が気に入ったとしても、超メジャーな曲ばかりのアルバムが300円で買える世の中では、余程の熱烈なファンか“お付き合い買い”でもない限り、例えば10曲入り¥2,000のアルバムには、なかなか手を伸ばさなくなります。

 

まして名もなきインディペンデントの新人アーティストの新しい作品にいったいどう価格付けをしろというのでしょう…。
それに単純計算ではいきませんが、アルバムを@300計算で今後制作しろといわれても土台作れるわけがないし、例え作れたとしてもまずミュージシャンに還元できない。

 

旧譜とはいえ、駅売りのジャズやクラシックのワゴンセールのCDより単価は安いんだもん。
レコード会社は自縄自縛というか、もう次の手は残ってない最終手段…パンドラの箱を開けちゃった(?)印象です。

 

と言いつつ、目先の利益追求のみのレコード会社の姿勢に怒り(?)を覚えつつも、amazonのカートに入れるをポチってしまいました(^^;

http://www.amazon.co.jp/ZZ-Top-The-Complete-Studio-Albums-1970-1990/dp/B00CQGU9GG/ref=wl_it_dp_o_pC_nS_nC?ie=UTF8&colid=12M87XTOI5GRL&coliid=I1HRBZKF5XA4PN